井草の家、リノベーション中です 6 ~暗い部屋を明るくするには~


リノベーションでは、時に今まで外光を必要としなかった部屋(納戸等)を居室に変更しなければならないことがあります。当然そのままだと暗いので何かしら光を採り入れる策を考えなければなりません。こういう場合、大きく分けて3つの方法があります。工事が楽な順に

1.屋内側(廊下等)から光を採り入れる。
2.壁面からの光を増やす。
3.屋根面から光を採り入れる。

1については外装をいじる必要がないので工事的には楽ですが、暗い部屋が非常に明るい部屋に面している必要があることと、採光面を増やすこととプライバシーの確保が天秤にかけられるという側面があります。

2については外装を切ることになるので防水上の問題が出てきます。後から開口部をあけて防水をしっかりさせる場合、実際の開口以上に外壁を壊す必要が出るのでどうしても外壁に補修部分が出るので、意匠的に上手くごまかさなければいけません。また、外回りの壁で最初から窓がついていないところというのは耐力壁となっている場合も多く、なかなかちょうど良い窓の場所を見つからない場合もあります。さらに元が暗い部屋というのは北面にあることが多く、窓を増やしたところでさほど採光が期待できないということもあります。

3についてはその部屋の上が屋根であるという条件が必要で、かつ屋根を一度壊すため防水上は最も慎重にならなければいけませんが効果は大きいです。建築基準法上では天窓は壁の窓に対し(ざっくり言えば)3倍の効果を認められているほどです。難点としては防水に気を使うほか、夏場に暑くなる、掃除がしにくいなどがあります。特に夏場の暑さは深刻な事態をもたらすことがあるので、なるべくなら北斜面の屋根に設置する方が良いです。

井草の家では諸事情により3番目の手法をとりました。天窓を付ける際により光量を得るためのオーソドックスな方法として水下側の壁を床に垂直に降ろし水上側を天井面に垂直に降ろす(下の写真の左側)というのがあります。現場としては右側のように両方とも天井面に垂直に作る方が楽というか自然なようで、図面に書いていてもこのようにされていることもあるのですが、ちょっとした気遣いで部屋の明るさは結構変わります。ただ、光量を得るというよりは天井に開いた穴を印象的に見せるという目的の場合にはあえて右のようにすることもあります。

些細なことですが、こういったことの積み重ねで空間の質というのは変わってくると思います。(柳本)