今回のイタリア探訪、ヴェネチアも訪れたのですが街全体が観光地というよりテーマパークでした。
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ヴェネチアでは前回も書いたサンマルコ広場にあるオリベッティショールームにも行きましたが、昨年国立新美術館でやっていた「安藤忠雄展」で見たプンタ・デラ・ドガーナの巨大模型を見て以来、「プンタ・デラ・ドガーナ」は近くに行った際には見に行きたいと思っていたところでした。
岬の先端にある三角の建物がそれで、運河を挟んでサンマルコ広場の対岸にあります。
建物に近づいてきたところ。昔の税関倉庫だったこの歴史的建造物を美術館にすべくコンペを経て2009年に改修完成。道路がないので水上でしか資材などを運べなかったことを想像すると、予想も付かない困難が待ち受けていただろうと想像します。
内部は15世紀ごろのレンガや小屋組などを活かしつつ、古く見せるところは補修、新たに手を加えたところは得意の打ち放しのコンクリートやガラス・スチールなど新旧の調和を取っているところが特徴。上野にある「国際子ども図書館」にも相通ずる物を感じました。
ただ古いだけではない素材の使い方や光の加減など、ヴェネチア旧市街の奥まった部分の歴史的建造物に現代アートの展示というギャップを楽しむに十分な工夫が見受けられたのですが、今回行ったときは展示物が少なかったせいか、かなり広い空間であるが故に、美術館本来の目的とする展示物を楽しむという目線で見ると少し寂しい感じがしたのは気のせいだろうか。居心地が良い空間ではあったが、動線などにも仕掛けが少なくワクワク感に少し掛けるような気がしました。(ネットで過去の展示を見ると雰囲気違ってました)
ちなみに、安藤さんが力を入れたというコンクリートのクオリティ、写真で分からないかもしれませんが、触るとすごかったです。