overstory


<概要>(リノベーション)
場所:神奈川県川崎市
延べ面積:109.3平米
構造:木造2階建て

丘の一番高いところ建つ趣のある2階建ての木造戸建てをリノベーションしました。
敷地にはモミジや木蓮、柿の木などが立っており、窓からは多くの植栽が見えるのに加え、2階に上るとは東にはスカイツリーが、西には富士山が見えるという、まるで高木の樹冠の上のような住宅です。

元の住宅は1階2階共に段差と仕切りが多めで少々使いにくい造りになっていたので、段差解消と家全体の見通しを良くしつつ、断熱性能と耐震性能を向上させました。

意匠的には元の雰囲気が気に入って購入したとのことでしたので、活かせるところを活かしつつ左官の壁をベースに全体をまとめました。

玄関ポーチ

玄関周りは元々木製のドアにシングルガラスのカーテンウォールとなっており、断熱的には厳しい仕様でしたので、全面をペアガラスに変え、木製ドアは断熱仕様で作り直しました。

玄関は吹き抜けとなっています。

元の玄関は土間が狭かったので、柱を抜いて梁補強をした上で全体的に広げ、奥に靴のまま入れる収納を設けました。

玄関から玄関収納

玄関収納の奥には元の和室の床の間にあった小さな地窓に加えてFIX窓を追加し、日中は照明を点けなくても利用できるようになっています。

玄関収納のハンガーパイプ

収納内のハンガーパイプですが、玄関から見えるということもあり左官のテクスチャーに合う亜鉛メッキ仕上げで製作しています。

玄関から洗面方向

玄関から屋内方向の木の壁は元のままですが、床の高さを元より下げているので高さのある木製巾木で足元をカバーし、塗装で馴染ませています。

リビング入り口から

リビング入口からの様子です。

左がリビングで、もともと小さなバルコニーが付いていましたが建築面積に余裕があったため広いウッドデッキに造り変えました。

中央の柱は移動すると大掛かりな補強が必要になるような梁のかかり方をしていて、ちょうどダイニングテーブルが入るスペースが確保できることもありそのまま残しています。
テレビのある面が南で、元は掃き出しの引違い窓がついていましたが、東のウッドデッキに出る窓で十分な明るさが確保できるので高さ方向を縮めて柿の木の枝がちょうど見えるくらいにしています。

リビングの木の天井は元からのものです。

1階床段差

工事中、スケルトン時の1階です。

右手小上がり、手前リビング、奥の玄関が全て違う高さになっているのがわかります。

1階床レベル揃えた状態

リビングの床を上げ、廊下の床を下げ段差は小上がりだけとなりました。

リビングと玄関

リビングとウッドデッキは同じ高さでつながっているため一体感のある使い方ができます。

全体的に床の高さを揃えましたが、奥の和室だけは小上がり風に使うために高さを変えていません。

テレビ台

テレビ台は杉の梁材を壁に埋めて片持ちとしています。

リビングのビフォーアフターです。

LDK部分の床は当初より上げており天井高さが当初より相対的に低くなっていますが、外への開放感があるために圧迫感などはありません。

リビングと繋がるウッドデッキ

ウッドデッキの範囲内には柿の木と木蓮があり、取り込むような形でデッキを造作しています。

敷地が南に向かって傾斜しているので1階のデッキですが隣地の2階以上の高さがあり、プライバシーと日照が確保できています。

デッキは擬木などは使わず、杉を高温処理で腐朽しないように加工したメンテナンスフリーのデッキ材を使用しています。

リビングの入口は大判の引き込み戸となっており、空調のいらない季節は開放して階段部分と一体感が出るようにしています。

前の持ち主が置いていったベンチ

以前の家主が置いていったベンチが良い味を出していたので引き続き利用することになりました。

小上がりからLDKを見る

小上がりは柱や障子、天井は元のままで壁と畳とサッシだけ刷新しています。

ダイニングとキッチン

ダイニングとキッチンです。

キッチンはL字型でレンジフード以外の吊戸類を付けないことで天井が伸び、広々と感じるようにしています。

LDKビフォーアフターです。

リビングとダイニングキッチンの間仕切りをなくしたことでリビングの木天井の境が中途半端になるため、リビングの入口まで範囲を狭めています。

建具枠と天井切り替えの取り合い

建具枠と天井切り替えの取り合いです。

ダイニング側の天井は廊下と合わせ、リビングの既存天井との段差を真鍮のフラットバーで吸収しています。

キッチンのビフォーアフターです。

南面の窓はキッチン作業中に木が綺麗に見える位置で開口を取り直し、西窓は4枚建ての引違いを2枚建てに変更してよりすっきりと見えるようにしています。

梁がたわんできてたこともあり、窓の中心に柱を追加して補強しています。

キッチン

キッチン本体での収納量があるので、背面はオープン棚のみでコストを抑えています。

キッチン前の収納

ダイニングテーブルの奥の部分は収納となっています。

ツマミ等の金物はFORMANIのFERROVIAシリーズで統一しています。

2階もフロア内の段差を吸収するために階段の上りきりの高さを高くしたため、階段の段数を増やす必要があり途中から新設しています。

階段の新旧切り替え

階段の新旧切替部分。新しい段板は無垢のホワイトオークです。

ファミリースペース

2階に上がった部分はオープンなファミリースペースとしています。

将来的に柱の位置で壁を作って個室にもできるようにコンセントやスイッチを露出配管で柱に添わせています。

2階床段差

2階工事中です。

左側廊下部分と奥の部屋が床が高くなっています。

廊下部分は当初かなり傾きもあったので梁から掛け直して水平をとり、2階の基準高さとしています。

2階断熱の様子

2階の奥の部屋の床を上げている工事中写真で、既存の床にフリーフロアで施工しています。

断熱は壁は20kのグラスウール105mm、屋根は垂木間にウレタンボード100mm + 垂木下にスタイロフォーム30mm、床はウレタンボード61mmとしています。

ファミリースペースのビフォーアフターです。

元の窓は高めで素晴らしい眺望が今ひとつ活かされていなかったので、下屋を壊してルーフデッキにして外に出て景色を楽しめるようにしました。

東面の窓は撤去して左官のゆったりとした壁をつくり空間を少し落ち着かせています。

富士山が見えるルーフデッキ

ルーフデッキからは天気が良いと富士山が見えます。

ファミリースペースの柱

ファミリースペースに残した柱には新築当時の手書きの通り芯番号が残っています。

ファミリースペースから寝室

ファミリースペースから寝室側を見るとモミジが見えます。

寝室

寝室の壁は塗装下地用のクロスになっていて、当面は落書きできるようになっています。

スカイツリーが見える窓

寝室の北側の窓は小さいながらもモミジの葉が落ちるとスカイツリーが見えます。

寝室の柱

寝室の現した柱は切り欠きに合わせて大工が埋木を施しました。

WICスケルトン時

2階の奥の、もともとデッドスペースだった床のない部分をウォークインクローゼットとして活用しています。

天井裏を活かしたウォークインクローゼット

とても味のある丸太梁があったのでそのまま現しています。

洗面、風呂

トイレ

1階の水周りは位置は基本的に変えずに刷新しています。