めぐる住まい

ビフォアアフター<概要>(リノベーション)
場所:東京都北区
面積:89平米
構造:壁式RC造

家族の変化に合わせて住まいを小さくするため、戸建てからマンションへの住み替えをされたご家族のためのリノベーションです。

壁式RC造のため大きな間取り変更はできませんが、これまでの住まいのレイアウトなどを踏襲しつつ、新しい暮らしに合わせてアップデートさせて回遊性ももたせています。

マンションながら3面採光という条件を活かし、居室だけでなく玄関や廊下などでも自然光を感じられるようになっています。

その反面、外部に接する範囲が大きいため、全体的に付加断熱を施し、窓は全て内窓をつけています。

躯体から制限される天井高さや開口部が低いことを逆手に取って、重心の低い落ち着いた空間に仕上げました。

玄関の大谷石

玄関ドアを開けると大谷石の壁に迎えられます。

この壁の裏は洗面スペースですが、壁を天井まで立ち上げないことで壁が立ちはだかる印象を和らげ、光を置くまで届けています。

玄関から廊下にかけてはご親族の描いた絵などを飾るギャラリー的な利用もする予定です。

玄関ホール

玄関ホールは土間を少し広げて納戸側からも上がれるようになっています。

コートなどを掛けておくパイプは外部でよく使う亜鉛メッキ素地仕上げですが、単色の塗装よりは石や木の素材感に馴染みます。

奥に見える納戸の入り口は以前のお住いから持ってきた建具を再利用しています。

廊下から玄関

玄関の棚を窓に合わせて設計することで、窓自体がこの玄関のために設えられたように見えるようにしています。

廊下と洗面

廊下からリビングへの入り口もガラスとすることで廊下全体が明るくなっています。

洗面

洗面スペースも欄間上が解放されていることでそれなりの明るさを確保できています。

洗面の幅は1200mm幅の陶器の壁掛け型の洗面器に合わせ、カウンターレスで仕上げています。

廊下からリビングを見る

廊下から見えるリビング。

建具の見せ方

リビング入口は構造壁内の開口のため、高さを変えることができませんでした。

引き戸をスッキリと見せるために天井高さまでの建具としてますが、開口までの距離が大きいために一般的な框だけだと閉めた時に壁が見えてしまいます。

框を大きくするのも不格好なので、片面にのみヒノキのリブパネルを貼って全体を馴染ませています。

リビング

リビングに入ると正面に緑が見え、実際の広さ以上の広がりが感じられます。

リビング入口側のビフォアアフター。

元の廊下の暗さがよくわかると思います。

大谷石の壁が廊下に出る時の気分を上げてくれます。

リビングダイニングのビフォアアフター。

レイアウトは変わっていませんが、高さ方向の要素を整理して全体的にスッキリとさせています。

ダイニングから和室方向のビフォアアフター。

南面のワイドスパンで、外には緑も多い恵まれた環境になっています。

リビングの収納

リビングの収納は、以前から利用している収納が入る高さとテレビ台としての高さを馴染ませるように違い棚風の設えにしています。

ダイニング

リビングの間接照明

リビング夕景

キッチン入り口

キッチン入り口脇にはコルクを貼って、下はマガジンラックとなっています。

キッチン

キッチンは背面収納をお持ちの家具と一部造作で設えています。

キッチンから緑が見える

キッチンに立ったときも緑がよく見えます。

1段下げたコンロ

シンク側は既製品のシステムキッチンを使っていますが、コンロ部分を下げたいというご要望があったのでここだけ造作となっています。

システムキッチン側の扉面材を取り寄せることができたので、意匠的には違和感なく納まっています。

和室のビフォアアフター。

ふすまを可動間仕切りのように使い、生活のシーンに合わせた多様な使い方ができるようになっています。

和室

南側は障子だけだと暗くできないということで、内窓と障子の間にプリーツブラインドが仕込んであります。

閉じた和室

全体的に閉じた様子。

和室からLD

地窓の障子

地窓の障子はテレビ台代わりの棚を鴨居として1枚の片引きになっています。

読書の間

読書などを楽しむための4畳間。

廊下

廊下には和室からの光も入ります。

押し入れ越しの和室

押し入れは廊下、和室の両側から使えるようになっています。

前の住まいからの建具

洋室には前の住まいの机の上に付いていた棚から建具だけを取り外してきて再利用しています。

トイレ

トイレは一部脱衣室側のスペースを利用して手洗い器を設置しています。