影光感ずるヴィンテージ

<概要>(リノベーション)
場所:東京都世田谷区
面積:床面積77㎡
構造:RC造

弊社仲介の賃貸物件にお住まいだったご夫婦

住み替えをきっかけに中古マンションを購入し、弊社へリノベーションのご相談を頂きました。

購入されたマンションは、世田谷区のいわゆる ” ヴィンテージマンション
築年数は経っているものの、大規模マンション、かつ、しっかり管理されているため、大変良好な状態でした。

元のお部屋は、玄関及びホールがゆったりと計画された、3LDKの間取りでした。
一方で、大きな梁がお部屋を縦横にわたり、低いところでは床から1.8mのところもあるため、圧迫感を感じる
要素もありました。
また、水廻りの設備・換気配管、RC壁など平面計画に制約をもたらす要素が散見されます。

お住み替え当初はご夫婦二人での暮らしですが、将来的なプランも考慮し、長大になっている面積を有効活用
さらに、上記の課題を考慮し計画を進めると共に、ご夫婦ともに在宅ワークのできる環境を設けられるよう、
ご提案させて頂きました。

玄関ドアを開けると、片側アーチの梁とR形状の開口がレイヤー上に重なります。

廊下梁の印象を柔らげるために梁端部の形状を造作しています。

玄関・ホールは一般的なマンションに比較して幅があるため、片側に奥行きの大きな玄関収納を設けています。
下足だけでなく、清掃用具等の収納としても活用できます。

メーカー品の収納家具に木製カウンターを載せ、モールテックスで仕上げました。


ホールから寝室の間には、出入りと生活動線の利便性を考慮して、コートクロークと小物などを収納できる
可動棚を設けています。

外からの汚れや、花粉などを極力居室へ持ち込ませないように計画しました。


寝室は将来的に2部屋に分けられるよう、照明、電気、空調等2系統で計画しています。

しばらくは、奥様のワークスペースと兼ねて、大きめな空間として利用します。

LDK扉のガラスから光が廻り、奥行きを感じられます。

左側の廊下収納は天井いっぱいの扉を設け、収納量を確保。
右側の扉の先には、洗面脱衣所、浴室、トイレを設けています。

洗面台はご夫婦がお持ちの家具をリメイク、両サイドにラワンランバーで色合わせした収納棚を設けました。
メラミンカウンターと洗面器をのせ、壁付け混合水栓の仕様としています。

鏡面にflosのブラケットライトを設置し、照度を確保しています。

トイレはスペースの有効活用、排水の取り回しの都合で、洗面所脱衣所からのアクセスとしています。
廊下から直接アクセスできないなど、デメリットもあるが、音や匂いが居室側へ漏れづらいメリットもあります。

限られたスペースを最大限使うため、一考の余地はあるかと考えます。

浴室の片側に梁がかかっており、メーカーのユニットバスではここまで大きな梁型対応ができないため、
ハーフユニットを採用し、ユニットの上部は在来工法で下地を組み、タイルで仕上げました。

ハーフユニットは商品としてサイズが限られていますが、今回は1317サイズの製品を採用しました。


LDKは元の間取りと比較して、少し小さくなりますが、キッチンをLD側に張出し一体的に使えるよう計画。

キッチンを張り出した分、キッチン奥のスペースをWICやパントリーとして利用しています。

カップボードは70cmほどの奥行きがあり、手持ちの家電類、食器等をすべて収納できます。

カウンター及び側面は防水性、防汚性のあるモールテックス仕上げとし、下段の収納はナラ板目突板で製作。

キッチン把手の真鍮色と合わせ、同材の手掛けを設けています。


洗濯機置場は家事動線の短縮、洗面所を ” 見せる空間 ” とするため、キッチンに設けています。

上部の棚に洗濯籠を置き、洗面脱衣所側から使えるように扉を設けています。


シンク正面のニッチ収納の高さに合わせ、2種類のタイルを張り分けています。

レンジフードは梁の真下になるため、浅型の製品を採用。梁をかわした天面から排気ダクトを伸ばしています。

キッチンはコンクリート壁に面しているため、光が届きづらいですが、LDが2面採光で非常に明るいため、
光の階調を強く感じられます。


キッチンの奥、あまり目立たない位置に冷蔵庫置き場とパントリーを配置しています。

タイルの見切りも真鍮のフラットバーを使用し、金物の統一感を意識しています。


サッシの上部にエアコンを設置すると共に、吊戸棚を設け、背面にエアコン配管を隠蔽しています。

リビングの一角にある、少し奥まったスペースに飾り棚を設け、ディスプレイスペースに。

ラタン張りのソファで、柔らかな印象をプラス


正面に見える柱状のものは、上階から引き通してあるテレビの配線を隠蔽するために設けました。

将来的には、ネコの爪とぎ場として利用予定。

籐などを巻くと雰囲気も出てくるので、今後、機会があればチャレンジさせて頂ければと思います。

壁付けのTVボードは配線の隠蔽のため、TVから機器まで、壁の中を配線できるように計画。

壁の塗装と合わせて、白色で塗装しました。