韓国訪問 三十時間滞在記其ノ二 北村~三清洞

前回の予告どおり二回目は宿近辺の街並みを紹介したいと思います。(上の写真は小学校の塀です。)

宿の位置は

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あたりで、北村(Bukchon、ブッチョン、북촌)という地区になります。この地区は日本で言えば倉敷あたりの趣で、下の写真のように韓屋が軒並み並んでいます。

坂が多いのもこの地区の特徴で、恐らく高い位置ほど地価も高いのではないかと思います。坂を登って振り返るとソウルの中心街が見渡せます。

坂は結構急で、車庫のような(富裕層なので特に)ワイドのある門扉だと段違いに作られています。

塀の衣装はタイルと木を組み合わせたパターンで、入り口部は必ず平入りになっています。相変わらず歪んでますがもはや様式美のようでフンデルトワッサーに通じるものを感じます。メンテナンスは相当しっかり行われているようで、木部なども痛みがほとんど見られません。

時折、門扉横や妻面に独特の意匠を施してあります。本気のお守りなのかユーモアのある飾りなのかはわかりませんが控えめで好感の持てるものが多いです。

さすがに高級住宅地だけあって、時々とんでもなく広い敷地の家もあります。敷地内に見晴らし用と思われる東屋があったりします。

あと何故か柿を植えている家が多かったです。

多分給湯器のものと思われますが、煙突(というか排気口)が塀から出ていることが多く、寒い季節には蒸気が独特の風情をもたらしています。

北村から西に坂を降りて行くと三清洞(Samcheong-Dong、サムチョンドン、삼청동)というソウルの中ではかなりシャレオツなスポットに出ます。北村と三清洞の間には崖があり、崖沿いを歩くと大抵の観光客が訪れると思われる景福宮(Gyeongbokgung Palace、キョンボックン、경복궁)が見えたりします。また、崖の段差を利用した下からも上からも入れる店などもあります。銭湯っぽい煙突や上から見られることを意識した看板らしきものもありましたが何て書いてあるのか、ハングルわかる方は教えてください。

崖沿いの道は下り坂になっていて徐々に三清洞に降りて行きます。三清洞側から来ると北村への入り口となるため地図が張ってありました。土地を生物になぞらえた独創的な地図です。

三清洞は神宮前2丁目辺りとか鎌倉の長谷寺に出る通りとか中目黒の目黒川沿いとかそういった雰囲気です。ギャラリーや細かいものを売ってる店とかありますが、朝散歩だったのでほとんど開いてませんでした。一軒だけ「Coffee Faktory」という”c”じゃなくて”k”な辺りがシャレオツなカフェがオープンしていたのでモーニングのコーヒーをゲットしました。この店、テイクアウトドリンクは一律3000ウォンらしく割とお得です。朝散歩で寒かったせいもあるかもしれませんが滞在中飲んだコーヒーでは一番おいしかったです。スタッフも非常に大人フレンドリーでおすすめです。話は逸れますが所謂スタバ的なコーヒー店はソウル市内非常に多いです。多分渋谷区と比べても3倍くらいありそうな勢いです。味も平均的に日本より上です。もっとがんばれ日本のコーヒー店。特にチェーン店。

この辺りに来ると建物も現代的になってきて、わき道にも汚くない壁画があったりします。

そんなこんなで30分くらいでぐるっと一周して急坂を登って宿に戻ります。この坂、タクシーも入れないので重い荷物を持ってこの宿に来るのはガッツがいります。

なにぶん朝の散歩なので昼間の様子はまた違うかもしれませんが、ソウル市内では貴重な静けさを堪能できる地域のようです。市場の喧騒に疲れた方はこの辺りに来るとほっと一息つけると思います。(柳本)