11月の末に、一泊で韓国はソウルに行ってきました。初韓国なのに一泊ということで食事メインの旅になってしまいましたが、少ない時間の中で見てきた建物もあるので小出しに紹介していこうと思います。
第一回目は宿泊した韓屋(Hanok、ハノ、한옥)を紹介します。せっかく泊まるなら寒い時期だしオンドルに寝てみたい、という思いで伝統家屋をリノベーションして宿泊施設にしている宿に泊まりました。いくつかあったなかで良さそうだったのが北村(Bukchon、ブッチョン、북촌)という伝統的な街並みが残る地域にある楽古斎(RakKoJae、ラッコジェ、락고재)という宿で、中庭を囲む形で4部屋だけあるという韓屋です。が、ぎりぎりの予約で本館は満室だったため別館をあてがわれました。別館についてはあまり情報がなく戦々恐々として訪れたのですが、北村の中でも急な坂を登ったかなり閑静な一角にあり非常にゆったりとくつろげました。
到着したのが夜だったのですが、入り口は人感センサー式の照明になっていました。上の写真は門で、これを抜けると中庭なのですがこの扉が実質的な玄関扉で鍵はここしかありません。写真で見てもわかるように、垂直、水平に造るとかそういった意識は全体的にありません。このざっくりさは良くも悪くも韓国の特性らしいと旅全体を通して感じました。
門を抜けると砂利と石段で構成された中庭で、小さいながらも凛とした雰囲気があります。建具類がアルミ製なのが興ざめですが、寒いので宿泊施設としては仕方ないでしょうか。物置の上に登るとずっと屋根伝いにどこまでも行けそうです。瓦は1列ごとに棟瓦+モルタルで抑えてあり重厚感があります。実際かなり重い屋根だと思います。そしてやはり全体的に歪んでます。
内部ですが、真壁になっていて小屋組も見えます。小屋組の構造部材がスパンの割に極太で屋根の重さを物語っています。当然のごとく全体的に歪んでいますが、独特の暖かさを感じます。そしてオンドルは実際かなり暖かかったです。水周りは近代的な設備になっていて日本のメーカーではありませんがウォッシュレットもついてます。ただ、水栓の類は全て軽くぐらついてますがそんなの気にしない。カーテンはポジャギが使われてます。ポジャギとかオンドルの紙貼りとかそういったところは非常に細かい造作になっており、細かさと大雑把さが見事にブレンドされています。
皆さんも韓国に行かれる際にはこのような宿に泊まって見てはいかがでしょうか。楽古斎は韓国の宿にしてはやや高めですが日本で泊まることを思えばそれほど高くありませんし、本館に泊まれれば朝晩の食事もちゃんとしたものが付くし伝統的なサウナも使えるのでリーズナブルだと思います。さらに金銭的余裕のある方は翠雲亭へどうぞ。
次回は宿周辺を朝散歩したのでその街並みを紹介しようと思います。(柳本)
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