内部でも外部でもない曖昧な空間について (インターン:宮澤)

今回は世田谷区にある「1・2・house」の追加・補修工事に同行させていただき、物件を見学しました。

写真を撮り忘れてしまったので事例より引用します。

12house ファサード

この物件の特徴はやはり2層分の高さを持つバルコニーと、懐の深い玄関ポーチだと思います。

実際にバルコニーまで出させていただきましたが、オープンでありながらもどこか落ち着きのあるゆったりとした空間になっていました。

このバルコニーを見ていた際に、ある言葉を思い出しました。

 

「建築の内部と外部の境界線のラインがずれることでそこに内部でも外部でもない曖昧な空間が生まれて住宅がより豊かになる。」

 

大学の住宅設計課題の講評で私の研究室の教授が言っていた言葉なのですが、この物件のバルコニーと玄関ポーチを見てまさにその通りだなと実感しました。

 

住宅ないし建築には内部と外部を隔てる要素はたくさんあると思います。壁はもちろんのこと軒先のラインや床,窓,柵なんかも時にはその境界線になりうると思います。

一般的な住宅を断面的に見てみると、外壁のラインにこれらの要素のラインがぴったりとそろっているので、のっぺりとした印象で内外を横断するような曖昧で豊かな空間は生まれづらいです(軒が出ていたとしても数十㎝程度)。特に敷地の狭い都内ではそういった住宅が多い印象です。

12house バルコニー

しかし、今回の住宅を見てみるとそうした要素のラインがうまくズレることで豊かな空間を生み出しています。

バルコニーでは床が一番外側まで張り出しており、その次に左右の袖壁と軒先のライン、そして一番奥に住宅の外壁が来ています。玄関ポーチでは左右の袖壁、軒先のライン、玄関ドアといった具合です。

また、左右の境界(隣地境界側)は逆にこれらのラインをそろえていることでメリハリが生まれ、ファサード(正面)の奥行きが強調されるデザイン的にも美しい住宅になっています。ただズレていればいいってことではなくそのメリハリも大事なんですね!

日本家屋の縁側なんかもこの原理と同じだと思います。床と軒のラインを外壁より外に出すことで、住宅の内外をつなぐ縁側空間が生まれるというわけです。

外部をきっぱりと遮断するのではなく、こうした内部と外部を繋げる曖昧な空間でしか得られないものがあると思います。

その空間に人の生活がにじみ出ることで生活がより豊かで街との関係性も生まれてくるのではないでしょうか。

 

お施主様はここでよくたこ焼きパーティーをするとのこと。良いですね。

 

(インターン:宮澤)