今回宿泊したパークハイアット上海を紹介します。
上海のパークハイアットは森ビルが監修した栓抜きのような形の超高層ビル「上海環球金融中心」の79階~93階に入っています。
立地はそれほど観光に便利とは言えないかもしれませんが、値段は他の都市のパークハイアットよりもかなりお得な設定です。
一番長く過ごした場所ということもあり、公共部と客室内を2回に分けてレポートします。
まずは客室からご紹介します。
部屋の入り口は廊下に直接面しておらず、1つのアルコーブに2室ずつ入り口が配置されています。
そのため、アルコーブの入り口に2部屋分のルームプレートがあります。
エレベーターホールから部屋の前まではとても暗く、最初はプレートを見つけるのに少々時間がかかりました。
泊まったのは8306号室ですが向かいは8304号室で、縁起の関係なのか8305号室が無いようです。
2つの部屋の入り口が向かい合っていてタイミングが悪いとばったり出くわすので、集合住宅では避けたい仕様です。
玄関前のアルコーブです。
突き当りの左右に2部屋の入口があり、アルコーブ入り口にも両開きのドアがあります。
この両開きのドアは基本的に開いたままですが、コネクティングルームとして使うときに閉めるのかもしれません。(もしくは単に防火上のものかも)
これはラフに実測した部屋のプランです。
一番小さい部屋のはずですが、それでも55~60平米くらいあり広々と感じます。
部屋に入るとかなり暗めの廊下になります。
ただ、廊下幅が1m以上あり天井も3.1mと高いため閉塞感はなく、部屋からの明かりが入ってくる時間だとそれなりに明るいです。
主室に入ると83階らしい展望が開けていて、部屋に入るまでがずっと暗いせいも合って眩しいほど明るく感じました。
室内はグレー、ベージュ、ダークブラウンでまとめられていてリネンの白が映えます。
寝室としてはとてもリラックスできる配色に思えます。
壁面と天井には細かい凹凸があり、ひょっとすると構造的なものかもしれませんが、鏡や間接照明のスペースとして上手に処理されています。
バスルームは3.5畳くらいあり、天井も高いので非常に贅沢な空間に感じました。
天井には肩先まで完全に包まれる大型のレインシャワーが埋め込んであり、これがあればバスタブがなくても十分温まることができます。
バスタブへのアプローチにはステップがあり、座るにもちょうどよい高さで様々なくつろぎ方ができ、バスルームだけで長時間過ごせてしまいます。
子育て期には向きませんが、いつか自邸を設計するときに鏡を窓に変える以外はここをそのまま再現したいくらい良い出来です。
バスタブの周りは排水用の溝があり、木製のフレームは単なる意匠ではなく水のたまりを防ぐ役割があるように思えます。
一度お湯を溢れさせてみましたが、利用後の乾きも早く、水仕舞いはとても上手に作られていると思います。
ちなみに水の勢い、排水の速度も全く問題ありませんでした。
洗面台は2ボウルで、鏡にはテレビが埋め込まれています。
水栓等は鏡面ですが、非常に綺麗に磨かれていて掃除が行き届いている印象を受けました。
壁の凹部は鏡になっていることが多く、とても控えめな光量の照明が床に設置されています。
ここまでしなくても良いのではないかと思うくらいですが、点いている状態を見てから消すと少し薄暗く感じるので効果はあるようです。
洗面所の入り口は全面鏡で、開けきるとクローゼットが閉まるように設計されています。
クローゼットは廊下にもあるのですが、ハンガーは湿気りやすい洗面所側にしか無かったのがやや不思議です。(動かせばいい話ではありますが)
ただ、洗面所も広いためそれほど湿気は気にしなくて良いのかもしれません。
クローゼット側が閉まった状態です。
床の切り替えと扉がきっちり揃っているのが気持ちいいです。
室内の夕景です。
カーテンはベッド脇のスイッチで開閉できるようになっています。
部屋全体は暗いですが、読書灯などがあるので不便を感じることはありません。
一番安いプランだったのであまり部屋の向きは期待していなかったのですが、窓からは上海のランドマークや川が見える良い部屋でした。
部屋によっては構造の斜めの柱が入るところもあるようですが、春節前でガラガラだったのか良い部屋にしてくれたようです。
思えば街全体も落ち着いていたので案外おすすめの時期かもしれません。(柳本)