アンリ・カルティエ-ブレッソンの「決定的瞬間」(The Decisive Moment)という写真集をご存知でしょうか。
20世紀の巨匠の代表作で表紙をマティスが手がけているという豪華な仕様ながら、60年以上前に発行されて以来一度も再発行されていなかった幻の写真集です。10年ほど前に本人が亡くなった際にその存在を知り、見てみたいと思ったものの古本屋での価格が10万以上だったのですっかり諦めていたのですが、なんと昨年末にドイツのシュタイデル社から再発行されていました。気づくのが遅く、一般ルートでは英語版は全て売り切れていたのですが、灯台下暗しというやつでシュタイデル社の通販で残り1冊だけあったものを購入できました。(今日の時点ではフランス語版はまだ残っているようです)
到着するまで半信半疑でしたが発注後数日で届きました。しかも送料無料です。世界一美しい本をつくる会社というだけあって、包装テープにも威厳を感じます。
内容はカルティエ-ブレッソンが主に旅先で撮ったスナップ写真で、構図の美しさが一番の見所です。本のつくりはさすがに良く、紙とインクの香りも素敵な気がします。ネット上で見れる写真も多いですが、紙上で見るとまた違ったものが見えてきます。大型本なのでケースの存在感もすごいです。
文章のボリュームもそこそこあるので読めるに越したことはないですが、翻訳アプリもあることですし気になる方はフランス語版をご検討されてはいかがでしょうか。(柳本)
フランス語版リンク:https://steidl.de/Books/Images-a-la-sauvette-1120242953.html