秩父の家が着工し、いよいよ仕上げ選びも大詰めです。
上の写真は美容室の新しいシャンプースペースの床のサンプルですが、モザイクタイルにするということだけは決まっているものの商品がなかなか決まりません。意匠的なイメージだけではなく、シャンプースペースなので床が濡れる可能性があるため防滑性についても慎重な検討が必要です。
防滑性の指標としてはC.S.R.(Coefficient of Slip Resistance:滑り抵抗係数)というのがあり、この数値が東京都の条例では土足の場合、原則0.4~0.9で設計するように求められています。数値が大きいほど滑りにくいのですが、あまり滑りにくすぎるのもダメということです。特に段差もなく素材が変わる場合に急に滑り具合が変わるのは危険です。東工大式滑り試験機による滑り評価によると紳士靴の場合は0.6から0.8がかなり安全であるということになっているので、その辺りの物を選ぶのがベストなのでしょうが、意匠的に良いものでその範囲に入るものがなかなか見つかりません。メーカーによっては数値を出していないところもあり、場合によっては気に入ったもので施工して滑るようであれば防滑塗料で逃げるという手もあります。とはいえ、意匠上も防滑性能上も満足するタイルを見つけるのがベストですのでいろいろとサンプルを取り寄せながら検討しています。
床は建物の中で最も酷使される場所で、防滑性以外にも耐久性、硬さ、メンテナンス性など考慮すべき様々な要素があり、用途と利用者(時にはペット)に合わせて考える必要があります。家の床を変えたら腰痛が治った/酷くなった、という話も聞きますので床選びは慎重に行いましょう。(柳本)