森美術館が10周年記念ということで愛をテーマにしたLOVE展を観てきました。さすがに気合の入ったボリュームで、古今東西玉石混合様々なジャンルの作品が選ばれています。基本的にポジティブな方向性なので、「天才でごめんなさい」に行く時のような変な覚悟も不要です。個人的に面白かったのは2種類の文楽が全く関係のないブースでそれぞれ映像展示されていたのですが、フランス人(多分)が操っている方がわかりやすく、大衆芸能っぽさを感じました。このような文楽であれば割と広く受け入れられて補助金に頼らなくてもやっていけるのではないでしょうか。どうでしょうか。また、文楽と人形(偶像)つながりで初音ミクの展示もなかなか考えさせられました。あの予定調和なコンサートに何故熱狂できるのかはちょっと理解できないのですが、初音ミクをハブとして繋がっていく構造はなんとなくわかりました。ちなみに撮影可能な展示は草間彌生のインスタレーション(上の写真)と懐かしのファイナルホーム(下の写真)の展示、Chim↑Pomの映像作品になります。
ファイナルホームと言えば私が高校生か大学生くらいの頃に雑誌に頻繁に出ていたのですが、当時はファッション的側面に目が行きすぎて新宿での実験にピンと来なかったのを思い出します。あれからだいぶ月日が経ち住宅設計に携わりさらに震災後の今改めて見ると非常によく出来た提案であり、自分なりの最小限のシェルターとして必要なものは何かをじっくりと考えてみようと思えました。我ながら大人になったものです。
この展示は9月1日までやっているので、猛暑の中涼みに行くのも良いのではないでしょうか。冒頭に述べたようにボリュームが凄いのでコストパフォーマンスは良いと思います。(柳本)