<概要>
場所:岐阜県
面積:床面積253㎡
構造:薄板軽量形鋼造
木造2×4住宅の枠材をスチールに置きかえた枠組壁工法による戸建住宅です。制約が多いため、シンプルな住宅となることが多いところを面白みのある設計ができないだろうかとの依頼を受けてのチャレンジとなりました。
この工法の最大の利点は木造よりスパンをとばせることで、リビングダイニングはその利点を活かした大空間となっています。
また、敷地は川沿いの小高い土地で、岐阜の山並みをゆったりと眺めたいという要望があり、あえて北向きのリビングとなっています。
リビング南側の窓は開口を絞り、光と影のコントラストが楽しめます。
南面の窓の向こうは中庭をはさみ和室棟が見えます。
リビングの勾配天井はそのまま2階の書斎へと繋がります。
階段の壁側のささらの埋め込みは当初工法上難しいとの話でしたが、協議を重ね実現できました。
キッチンからは道路を挟んだ向かいの竹林が借景として楽しめます。
この建物で唯一の2階部分はリビングに面した書斎です。書斎の窓からも山並みが楽しめます。
書斎の階段側です。
書斎からリビングを見下ろした様子。
階段からリビングを見下ろした様子。
玄関に入ると、まず中庭の景色を楽しめます。
玄関から右手が洋室棟となっています。
鏡は玄関収納の建具となっています。
一方左手は和室棟で広縁が見えます。
床、壁の仕上げは洋室側はチークに珪藻土、和室側は檜に聚楽壁となっています。
玄関ドアはサペリの羽目板、タイル壁は外壁からの延長です。
和室棟の広縁からは中庭が楽しめます。
広縁はややモダンな造りで聚楽を天井まで塗り廻しています。
和室棟の木製建具はセンを採用しました。
広縁に面する障子はシンプルな印象となるよう太鼓張りとしています。
広間には仏間と書院造の床の間が並びます。天井は杉の羽重ね張り、造作は主に檜です。
照明は天井に仕込み、和紙貼りの樹脂板で覆っています。
再び洋室棟に戻ります。奥の地窓からの日差しが奥行き感をもたせます。
振り返るとリビングのタイル壁が見えます。
リビングから眺める可児市の夕景です。
天井の意匠を活かすよう照明は必要最小限に留めています。
玄関の夕景。
タイルの表情を感じられる照明計画としました。
広縁は天井に照明を設けず落ち着いた雰囲気となっています。
夜には行灯のような効果を生み出す太鼓張りの障子のディテール。
トイレも和室側の造作でまとめています。
玄関へのアプローチはリビングのタイルと同じものでまとめています。
玄関前は庇を深く取り凹状にして雨風をしのげるようにしています。
和室側となる南側外観はヒバ材で窓まわりをまとめています。
玄関からも見える中庭は和室、リビングからも楽しめます。
周囲が北に向けて傾斜しているため周囲の建物が全く気にならい環境となっています。