井草の家、リノベーション中です 4 ~浴室の天井材~

家の中で天井を見る機会が多い部屋ベスト2といえば寝室と浴室ではないでしょうか。

前回も書きましたが井草の家の浴室はユニットバスではないので天井も自由に決めることが出来ます。しかしながら浴室の環境条件は外部軒裏以上に過酷だったりするので使える材料というのは限られてきます。一般的な選択肢からすると「金属」「樹脂」「左官・木材等の自然素材」「タイル」などになるでしょうか。それぞれ「結露しやすい」「見栄えが悪い」「カビやすい」「施工が悪いと落ちてくる」などといった欠点を抱えていますが、ある程度経験(=失敗)を重ねることで対処法もわかってきます。

井草の家では当初結露しにくい断熱塗料を検討していましたが、壁のタイルのイメージなどに合わないということで最終的に木材を採用することになりました。日本ではヒノキやヒバが古くから浴室に使われてきましたが、今回は意匠的に合わないので南洋材を使うことになりました。候補に挙がったのは「ムニンガ(アンヴィラ)」「ムアガ(アフロルモシア)」「アフゼリア(チャンフータ)」「ミャンマーチーク」「ネシアンチーク」です。それぞれ、ウッドデッキや屋外用の家具などに使われる極めて強い木材です。他にも「イペ」や「ジャラ」など強い木は多数あるのですが、色味とアクの少なさで今回のラインナップとなりました。

写真のように天井にサンプルを張って検討した結果、今回は左端のミャンマーチークを採用することになりました。塗装はVATONという耐候性の強い浸透性のものを2度塗りします。自然素材を長持ちさせるにはメンテナンスが必須になります。しっかり換気をして、かつ1年から2年に一度は塗りなおしていくと長く美しく浸かっていただけます。(柳本)