住宅設計者の自宅設計 15 暮らしレポート 冬~春


早いもので引っ越してから4ヶ月が経ち、立夏も過ぎましたので、冬と春を過ごした感想をお伝えします。

まずは室内環境についてです。
蓄熱暖房
メインの暖房は基礎蓄熱暖房で、上の写真のように基礎に張り巡らせたチューブ内を不凍液を循環させて基礎全体を温め蓄熱させるというものです。
熱源は電気でヒートポンプで温めるので熱効率はまあまあ良い方で、冬季は1日8時間稼働が推奨されています。
このシステムは10年以上前から新築の方には推奨していて、当時から評判は良かったのですが、この10年で標準的な断熱性能がかなり上がったこともあり、より顕著に効果を感じられるようになったかもしれません。
この暖房の何が良いかというと、家に寒い場所がなくなるのと、エアコンほど乾燥しません。
風呂やトイレ、玄関などが暖かいと、ちょっとしたことが億劫ではなくなり、ストレス無くのびのびと過ごせますし、加湿器無しで過ごすことができたので不要な結露も避けられます。
室温は一番寒い時期の早朝の実測で、1階は19度くらい、2階は少し下がって16度くらいでした。
2階は朝30分程度エアコンを補助的に使った日はありましたが、エアコン無しでもフリースなどを1枚着るだけで過ごせるレベルです。
外断熱なので、蓄熱は基礎だけではなく構造の柱や壁面などにも及び、壁面や床の面温度もおおよそどこでも23度くらいで、体から輻射熱があまり奪われること無く過ごせるのでひんやりした感じがありません。
2月に入ってからは稼働時間を短くして7時間にしてみましたが、それほど影響はありませんでした。
2月後半からは家のどこでも気温が20度を切ることはなく、外気が20度近くなる日などは家全体が25度を超え半袖じゃないと暑いくらいでした。
家のどこにいても快適なので寒くて行きたくない場所というのが無くなり、玄関を含めたほぼ全室を居室として使うというコンセプト通り家族が好きな場所で過ごせたので、延床面積で25坪程度でもゆったりと暮らせました。
このシステムはコストパフォーマンスもなかなか良く、イニシャルコストは基礎面積が小さいこともありますがおおよそ材工で100万円程度と広めのLDKの全面温水床暖房と大差ない価格です。
床暖房と違い、チューブがコンクリートに埋まっているために劣化や傷付けるなどの心配が少なく、メンテナンスとしては室外機とコントローラーが壊れた場合の交換だけなのも良い点です。
ランニングコストは暖房単体では計っていませんが2月の家全体の電気代がリモートワークでほぼ家にいる状態でも16,000円程度とマンション住まいの頃より安かったので、家全体を暖めることを考えると上々です。
暖房は3月の中旬には切りましたが、しばらくは蓄えられた熱の放熱が続き、2階は暖かい日だと結構暑くなり、窓を開ければ暖気が抜けていくのですが花粉のために窓を開けられず夏のような温度を半袖で我慢するということになったのは想定外でした。
このように細かな調整が効かないために急に暑い日や寒い日が来ると調整が難しいという点はデメリットとしてあります。
とはいえ、それ以外の快適さを考えると許容範囲に思えます。
近年のZEH的な方向性からすると開けた土地で建物全体で日射を得られる場所であればさらに断熱性能を上げて無暖房もありかもしれませんが、住宅密集地で得られる日射が限られている場合はこのシステムはとても良いと思います。

庭の様子も4ヶ月ですっかり変わりました。
ファサード比較
左の写真が1月、右が4月です。(以下同様)
前庭は最初はソヨゴだけ葉がついていましたが、今ではコハウチワカエデやアオダモもしっかり葉がついています。
花も常に何かしらが咲いている状態で、最初はサザンカが咲いていて、ツバキ、シキミ、ツツジ、ブルーベリー、タモなどが順番に咲いて楽しませてくれています。
暖かくなるにつれ、当然のように虫もそれなりに出てくるようになり、アブラムシがコハウチワカエデの枝を一部枯らしてしまい薬をまいたり枝を切ったりということもありました。
アブラムシとこんなにしっかりと向き合ったのは小学校以来です。
奥庭のヤマボウシもすっかり葉がついて2階から見てもだいぶ賑やかになりました。
ヤマボウシ比較

光の入り方もだいぶ変わりました。
天窓の光
天窓の光は天井勾配なりだったのが、かなり垂直に近づいてきています。
そろそろ暑くなってくると思うので、天窓のブラインドを閉めることが増えることでしょう。
書斎
ワークスペースは冬の間は全く光が入りませんでしたが、最近は夕方になると木漏れ日が入ってくるようになりました。
逆に南面の窓は冬はかなり日が入っていたのが最近では庇に遮られて直射日光はほとんど入らなくなり、夏場は西窓と天窓のブラインドを閉めれば日射対策は大丈夫そうです。
当たり前といえば当たり前ですが、日々少しずつ光の当たる場所が変わり新たな気づきがあります。
これから夏至に向けてどうなっていくか、楽しみです。(柳本)