庭園美術館で開催されている「ブラジル先住民の椅子」展を見てきました。
展示はその名の通りブラジル先住民がつくった椅子で、そのほとんどが生活に密着した動物をモチーフとしています。
サイズも様々で、かなり大きなベンチサイズのものから椅子と呼べるのかわかない小さなものまであります。
造形はシンプルながら特徴的です。
模様はほとんどが黒い染料で描かれており、柄は種族によって様々なようです。
多くの椅子の目には巻き貝を使っているらしく、このワニのように細かい作業をされているものもあれば
斜め上の凝り方で何故かまつげが付いているもの
描いただけの手抜きっぽいものまであります。
また、ほとんどは単体の動物で正面を向いていますが、中には横を向いたサルや
子供を背負ったサルなどもいます。
これらの椅子は古いものからごく最近のものまであり、民芸品ではなくアート作品として売っていこうという機運が高まっているようです。
そのため、これまでの伝統に必ずしも囚われずに自らの表現としてつくっている製作者もいるようです。
そのためか、このようなモダンな印象のものもあり、広い玄関でもあれば靴を履くためのベンチとして置いてみたいです。
相当な数が展示されているのでそれぞれの表情や模様などをじっくり見ていると結構な時間がかかります。
本館の展示数よりも多分新館の展示数が多く、制作過程や製作者のインタービュー映像などもありますのでペース配分はご注意ください。
この展覧会は9月17日まで開催しているので、興味のある方は是非。
ちなみに椅子の提供元のベイ・コレクションのサイトのデジタルアーカイブでも椅子を見ることができます。
また、この美術館は元々が旧朝香宮邸で建物自体もじっくり鑑賞する価値があります。
次回は建物についてご紹介します。(柳本)