今回は建築というより観光が強めですが、シアトルに続き世界で2番めにオープンしたスターバックスの高級型店舗「スターバックス・リザーブ・ロースタリー・上海」をご紹介します。
事前に得ていた情報では入店に2時間待ちとのことであまりに並んでいたらパスしようと思っていたのですが、平日の午前だからなのか春節直前だからなのかブームが去ったのか全く並ばずに入れました。
中に入るとまず目に入るのが吹抜けを占拠する巨大なロースターらしきものです。
このロースターはコーヒーにまつわる単語を意味する漢字で覆われていて、今後オープンする店舗でもその地域に基づいたデザインとなるらしいです。
そしてこの巨大ロースターがそれほど大きく見えないほど店舗が広いです。
最初の写真の建物(2階建て)が丸ごと1店舗で延床面積2800平米くらいと渋谷ツタヤの売り場面積6階分に近い面積があり、二千万人超え都市の力を感じます。
インテリアで目を引くのは天井の意匠と天井を這う銅のチューブです。
天井は六角形のプレート状のものを微妙に重ねて貼っていますが、1枚1枚の角度や重なり具合が同じではなく、画一的ではないところが良い効果を生み出しているように思えます。
店舗のほぼ全面を覆っている上に照明や設備が絡んでくるのでとても面倒な施工に思えます。
店舗内には様々なカウンターが有り、多分カウンターごとで違うものを売っているようです。
一般的なラテ等がどこで売っているのかわからずじまいでしたが、中国らしくお茶関係のブースが多かったように思います。
座席の距離感はそれほど近くないので比較的ゆったり過ごせそうです。
多分ローストされた豆が出てくると思われる機械です。
時間が書いてあったので次に出てくる時間を知らせているような気がします。
カウンター下には間接照明が入っていますが、床に光沢があるので映ってしまっています。
普段いかに光源を見せないかを考える身としてはちょっといただけないところです。
壁面にはこのような箱でつくったインスタレーションのようなものがあったりして記念撮影をしている方々も多数います。
おそらく一切お金を使わないで楽しんでいる人もかなりいます。
というのも、高級路線だけあって全てが高いです。
チョコレート1粒が一番安いものでRMB25(当時RMB1=17.5円くらい)します。
クロワッサンもランドゥメンヌ並のRMB24です。
パン屋ピザは店内で焼いているので焼き立てが食べられるのは魅力的です。
せっかく来たので上海ならではのネーミングの「THE BUND MIST」を頼んでみました。
「窒素コーヒーにバニラシロップを入れて冷たいデメララフォームを載せてちょっとカスカラ糖を加えた」と書いてますが、全く味の想像がつきません。
注文後はこのベルを持たされて待ちます。
10分以上は待たされました。
出てきたのがこちらで、ほとんど甘みはなくすっきりとした味でした。
次に行きたいところもあるのであっという間に飲み終わった自分も悪いですが、セルフサービスでRMB62はちょっと高いなという印象です。
お土産もタンブラーとかはもちろんありますが、デザイナーとのコラボ物のTシャツやお茶グッズなど現地でしか買えなさそうなものが多いので、立ち寄ってみても良い場所だと思います。
店員は結構英語が通じそうな雰囲気なので旅行者にはありがたい場所かもしれません。
場所は地下鉄の南京西路(2番線と13番線)付近の5叉路の1角です。
ちなみにロースタリーは日本でも今年中目黒のドンキ横に新築の建物でオープンする予定です。
設計は大宰府店舗を手掛けた隈研吾氏です。(柳本)