ホームインスペクションは果たして使えるのか?

少し過激なタイトルですが。

最近、こういう記事や話題が増えてきた感のあるホームインスペクション。

こういうの出来たら安心だねと思っても、実際の所使えるの?という疑問があるかと思います。このような一般的な記事からでは読み取れない部分がありますので今回はそれを私の経験上感じたことを書きたいと思います。

結論から言いますと、まだまだ一般の人に認知されていない現状からすれば「人気物件の場合はインスペクションを行うことは難しい」となります。もちろん強く望めば可能かもしれませんが、売主はなかなか承知してくれない事が多いと思います。

要は、購入希望者が物件を探していて、

1.あの物件いいね!となり、

2.いや、インスペクションをしてみてその物件が安心かどうか見極めてから申し込みたい。

3.そこで売主に対して事前にインスペクションしたいことを交渉。

4.売主は、それでは先に申し込みしてくれる面倒くさくない買主と話を進めたい。

というロジックです。もちろんこれは複数の購入希望者がいる物件の場合です。市場には長い間売れていない物件も多いですので、それをじっくり見極めて買うという選択肢もあるかもしれませんが、いわゆる良い中古物件とは得てしてそんなものです。人気が無いのは値付けが高いか、立地が悪いか、建物に魅力が無いかなどあるわけで、それに興味を持つ人は少ない。仮にたまたま競合の購入希望者がいなくても、売主は面倒を避けようと思ってインスペクションの申し出を断る可能性だってあるのです。

これが現実です。なかなか人の心理(売り手市場)を突いていて難しいところがあります。

ところが、あるインスペクション事務所では、上記の1と2の間に物件の買付申し込みをしてしまい、そして契約までの間にインスペクションすることを勧めています。これは確かに実務を理解されている意見だと思いました。買付申し込みをさっさとし、契約に至ればその間は他の購入希望者に取られる心配は無いし、仮にインスペクション結果が期待以下の場合、契約に進まなければ良いためです。ただ、これも実際は契約までの日数は通常1,2週間程度、その間に売主に頼んでインスペクション出来るかどうかは難しい(特に居住中の場合)気がします。しかも、これにより契約をしない購入希望者が増えれば、売主も防御に走りインスペクションを拒否するという悪循環に陥る恐れもあると思います。

誤解の無いように言いますが、私もホームインスペクションの意義は理解しているつもりですし、普及していって欲しいと思っています。特に木造戸建ての場合はインスペクションした方が良いに決まってます。

こういうのはやっぱり税制優遇が絡まないと進まない。しかもこの場合は売主にメリットが無いとなかなか難しい。例えば不動産の譲渡所得税の減税。売主がインスペクション付きで販売すればこの減税が利用できるなどすれば良いのではないか。ただし信頼のある第三者機関が行わないと不正が出る恐れもあります。本来の筋から言えば、売主がインスペクションを付けるあるいは買主にインスペクションを受けられるようにすることにより、物件価格が下がらずに済むことや購入希望者が出やすくなるなどのインセンティブが働いてこそなんだが。。。あるいは義務化されるか。

アメリカやイギリスなど中古物件の取引が圧倒的に多い国ではインスペクションは確立されているようですし、日本でも中古物件の流通がもっと盛んになるためには絶対必要でしょう。

じゃあどうするか?

どうしても欲しい物件が出てきた場合、インスペクションしなくても弊社の場合内見時にある程度(不具合の箇所、リフォームの必要箇所・金額等)ポイントをお知らせすることが出来ますし、必要な場合は有償ですが第三者機関であるインスペクション会社に依頼もいたします。その場合はなんとか売主にインスペクションに対する理解を求めてみるしかないですね。(伊達)