木の選び方


左からヒバ、カバ、サクラ、ナラ、アフゼリア(4枚)、ムアガ(2枚)、ムニンガ(3枚) 部屋の仕上げをどうしようかと考えていて漠然と「木を使いたい」と思った時、何を基準に選んだらよいのかわからないという人は多いのではないでしょうか。参考までにおおまかな木の種類、特性について書きたいと思います。

まず木には針葉樹と広葉樹があります。一般的に針葉樹は広葉樹よりも成長が速い(50年前後)ため密度が低くて柔らかく、年輪がはっきりしていて板目柾目がはっきりしてます。反対に広葉樹は建材として利用できるような大きさに成長するまでに100年以上かかるのがざらですし、固くて加工するのも針葉樹に比べると大変です。当然金額は針葉樹の方が安く、日本の木造住宅の構造材はほぼ100%針葉樹(の中でも杉、ヒノキ、松)です。針葉樹の柔らかさは即ち加工性の良さで、細かい意匠を好んだ日本人にとって相性がよく内装材にも多く使われてきました。いわゆる和風の内装にしたい場合は針葉樹が使われます。北米や北欧で良く使われている針葉樹の代表はスプルスでしょうか。スプルスは針葉樹にしては木目がおとなしく、現代日本でも洋室の窓枠や巾木などによく使われます。これらの針葉樹はタイガに代表されるように寒い地域(高緯度や海抜の高い地域)に行くほど比率が多く、色は全般的に白いです。

機械が発達し、西洋文化が入ってきてからは硬くて耐久性のある広葉樹も内装建材として多く使われるようになりました。無垢フローリングで多く使われるのは日本でも採れるナラ、タモ、カバ、サクラ等です。これらの材は適度に硬くて加工性もそれほど悪くないため家具にも多く使われていますし、日本、中国、ロシア等近場で大量に採れるため価格も低めで安定していますし、気候的にも適合性が高く反りなども比較的少ないです。色は白から黄色っぽいものが多く、主張がない分合わせやすくなります。

一方、根強い人気を誇るのが南国リゾート風の濃い色の樹種(チーク、ローズウッド、ウォルナット等)です。木の色は緯度との関係が強く、一般的に赤道に近いほど色が濃くなります。針葉樹はある程度暑い地域になると存在しないので濃い色の樹種は基本的に広葉樹で、重く固いです。細かい加工には向きませんが非常に耐久性が強いものが多く、屋外でも塗装せずに使えるものもあります。また、重いということは密度が高いということで、内部に隙間が少ないために空気を含む量も少なく、断熱性能や調湿性能は低くなります。こういった樹種のフローリングの上に寝転ぶと夏は汗を吸ってくれないし冬は冷たいです。結果、従来の日本人のライフスタイルにはあまり適していない樹種と言えますが、現代ではライフスタイルも多様化しているのでこういった性質を理解して使用する分には良いと思います。ただし、日本に輸入されるチークなどは違法伐採されたものも多く、森林保護の観点からはあまり率先して使いたくない面もあります。希少樹種はコンゴのレアメタルやアフリカ諸国のダイヤモンドにも似た状況になりつつあるのかもしれません。

今回の説明は結構ざっくりしていて広葉樹でもとても柔らかい桐等の例外も当然あるのですが、おおまかな分類がわかるだけでも建材選びの楽しさは増えると思います。また、実際流通している木質建材は表面の塗装で色を付けたり膜を張ったりしているケースが多いので樹種も色も性質も関係ないことが多いのですが、そうなるとプリント化粧板もあまり変わらなくなってきますので、せっかく木を使うのであればなるべく樹種本来の性質を生かして使いたいと思っています。(柳本)