建具や家具の仕上げ材として突き板を指定する場合、設計上は樹種と木目の種類の指定のみであとは建具業者や家具業者にお任せということが多く、その場合上の写真のようなリピート柄となるのが一般的です。
しかしながら、現在工事中の品川のマンションリノベーションでは比較的大きな壁1面が突き板の家具と建具で構成され、リピート柄では少し単調になりそうなので、突き板の貼り方の打合せのために突き板工場へ打ち合わせに行ってきました。
まず、倉庫ある突き板の山の中から、今回のイメージに近いと思われる材を探してもらいます。この写真の束が1本の木から1000枚にスライスしたものになります。
1枚の幅は30cm程度なので45cm幅の板を作るため組み合わせを考えます。今回はなるべく1枚板風に見せたいため、板目と柾目を接ぎ合わせながらイメージに近い状態に近づけます。
だいたい使う幅を決めてチョークで位置を決めます。
位置を合わせて裁断してもらいます。
裁断した突き板を並べたところです。
突き板を貼るのは職人さんの手作業です。3人一組で結構な速さでベニヤに貼っていきます。
貼り終わったらプレスにかけます。
周囲のはみ出した部分などをカットしてもらいます。
隙間や重なりがないか確認して、サンダー(やすり)掛けを行います。0.0何ミリの世界の作業です。
完成した板です。出来上がって初めてわかったのですが、真ん中の部分がやや濃かったのと、斑がリピートっぽく見える位置にあったため、この部分を端にして上下を逆にすることで本番としてもらうことになりました。
このように決めていくと、単純にリピートで貼るよりだいぶ手間もかかり無駄も出てしまう(=コストがかかる)のですが、仕上がりはより自然な雰囲気になります。
工場や家具製作の皆様にもいろいろ相談に乗っていただき、ようやくイメージに近いものができそうです。
9月の完成がとても楽しみです。