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民泊について


現在、今年6月に施行されたいわゆる「民泊新法」を適用した民泊の改修をお手伝いしています。

その中で具体的にわかった注意点・問題点をハードとソフト面の両方の視点からMEMOしていこうと思います。

率直な感想は、既に言われてきていると思いますが、「民泊はビジネスとして成立しにくい」という感じを受けます。ただ、立地や物件の魅力度、広報宣伝の仕方によっては上手くいくのかもしれません。

まず、民泊新法における大前提として、建物の用途自体がそれまで「住宅の用に供されている」であると言うことです。新法が出来る前の曖昧な状態の時は、旅館やホテルなどの宿泊施設との棲み分けがあまりなされておらず、近隣からのクレームや業界団体や諸官庁からの問題点の指摘などが色々と報道されていました。それを受けてでしょうか、余っている「住宅」あるいは余っている「住宅の部屋」のみを民泊として認めようと言うことになっています。

また、ビジネスとして利益を上げていく上での大きな問題点は、各年度(4月〜3月)180日までしか営業できないということです。しかも各自治体の条例によって厳しくされることもあります。多くは用途地域の「〜専用住居地域」では、週末しか営業できないと制限していますし、ある区では、区全域で土日しか宿泊させることが出来ないところもあります。これでは、ビジネスとしては成り立ちませんし、自治体が想定しているのは昔の下宿みたいに、例えば子どもが巣立った老夫婦が住んでいる家の空き部屋を民泊として活用するという程度なのではないかと想像します。

民泊という名前が一気に広がったのは、airbnbなどのプラットホームが出てきたこともありますし、外国人の観光客が増えホテル不足から来るインバウンド対策や空き家活用といった点があったかと思いますが、観光客は週末しか来ないわけではありませんし、非常に矛盾を感じます。

それ以外に苦笑いしてしまうのが、民泊には「家主居住型」と「家主不在型」と大きく分けられ、それぞれ読んで字のごとくなのですが、違いは家主が住んでいると消防設備の緩和や管理会社に管理を委託しないなどのメリットがあります。しかし、その住んでいるという定義とは、人を宿泊させる間「不在とならない」とあり、例えば買い物に行こうと外に出る時間は原則1時間とされています。1時間って。。。

もちろん、安全面や衛生面、周囲への配慮を考えるとそういう決め事をしないといけないという考えはごもっとも。ただ、この国でありがちな、何か急激に問題点が出てきた際の法規制による縛りは、当初は陳腐な物が多い気がします。いろいろな議論を経て徐々に改正されていくことを望みます。まずは事業者のモラル形成や周囲からの要望が必要ですね。空き家活用の一つとしてもっと盛んになってくるべきだと思っています。

余談ですが、今年イタリアに行った際のまちあるきでご一緒した方が、イタリアの「アルベルゴ・ディフーゾ」の研究をされていて、話を伺うとアルベルゴ・ディフーゾとは限界集落など過疎化の進んだ田舎の空き家を活用し、街全体を宿泊施設として再生させる事(他にもいろんな目的があると思うが)だそうだが、街に活気が戻るだけではなく、新たな観光資源の発掘や地元の食材などにも脚光を浴びせる事にもつながり、最近日本のまちづくり界隈でも話題になっています。海外のこともあってか想像すると非常に楽しそうに感じたこともありますが、日本においても空き家や過疎化などの負の側面を改善させるには、こういった楽しさあるいはビジネス的な要素がないと続かないし、面白くある必要があると思っています。今後日本でも日本ならではの手法による空き家再生や地方再生が出てくるのを期待しますし、何か考えていけたらと思っています。(アルベルゴ・ディフーゾについてはこのサイトをご覧下さい)

次にハード面ですが、基本的に今まで人が住んでいたところを活用するだけなので、内装や設備を新しくする程度で済むのですが、上記にあります家主が住んでいるか住んでいないか、あるいは広さによって、消防法上では「住宅」と「宿泊施設」に分けられ取り扱いが変わります。民泊新法では住宅を前提にしているにもかかわらず、今度は宿泊施設扱いとすると言うダブルスタンダードは、建築基準法と消防法との間では良くある事で気になりませんが、宿泊施設になると基本的に自動火災報知器が必要になります。特に戸建て住宅だとハードルがぐんと上がります。

我々の立場から内装や設備面での改修のポイントを挙げるとしますと、お風呂はシャワーだけにしその代わり洗面台を2つ作るほうが良さそうだろうし、宿泊人数にも寄りますが出来ればトイレも2つあったほうがいいなどあります。仕上げでは床材などはメンテナンスしやすい素材を使用したり光熱費や快適性を考えると断熱や防音対策もしたいところです。また意匠的には写真映えする壁紙や家具などを使用し、泊まりたいと思わせるイメージづくりをすることです。特に海外の方向けだと普段は使わない柄の壁紙や畳、障子など(なんちゃって)和風インテリアにするほうが受けが良いでしょう。

手がけています民泊物件の完成写真が揃いましたらアップする予定です。

ちなみに、イタリアではこんな所を民泊で泊まりました。いかにも現地の雰囲気を味わいたいと思ったら民泊に限ります!https://www.airbnb.jp/rooms/596936